国家財政と家計の違いは何かな?(その10 貯蓄から投資へ)

 岸田首相は、金融資産の「貯蓄から投資への移行」の方針を表明しています。どこかで聞いたようで,新鮮な感じがしないなあと思ったら、金融庁が2003年から「貯蓄から投資へ」をスローガンにしていました。

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 ところで、「貯蓄から投資へ」の「貯蓄」とは個人の金融資産のことらしく、投資先は企業ということになります。確かに、この戦略は、企業のお金が足りないのなら有効かもしれません。政府がお金を出す方が手っ取り早いような気もしますが。それはともかく、企業はどうもお金が足りないわけではなさそうです。内部留保が沢山あると言われていますからね。そのお金は取引銀行の口座に預けられていて、さらに、銀行はその預金を投資せずに、日銀当座預金に預け、以前の記事に書いたように莫大な準備超過となっています。

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 投資とはお金を使って何かしたい企業が有って成り立ちますが、そのような企業が少ないのが不景気の原因じゃないでしょうか。要するに需要不足なんですよ。需要がなければ投資の行き場もありません。投資じゃなくて投機に向かうかもしれません。

 2003年からスローガンを唱えていても、投資への移行は進んでいません。その原因を解消するような方策が「骨太の方針」にはあるんでしょうか?

 畑に散水しようと、スプリンクラーのタンクに水を補給しました。ところが、スプリンクラーのノズルが閉まっていたんですね。タンクいっぱいになった水は、オーバーフロー管を通って、水を供給した大元のタンクに戻っていました。日銀当座タンクです。

 ノズルは開けたのでしょうか?