悩ましい3回コイン投げ ― 再挑戦

【6/4追記】誤記がありました。後で修正しますが、たまたま、結論に変更はありませんでした。

  修正しました。遷移図と漸化式が間違っていました。また、飛躍があってわかりにくいので、青字部分を追記しました。

 挫折した「3回コイン投げ」の問題に再挑戦しました。問題を再掲します。

shinzor.hatenablog.com

 コインを連続して投げ続け、予想した3回連続のパターンが先に出た方の勝である。ただし、3回ごとに区切るのではなく、両者の予想のどちらも出なかったら、次の1回を投げ、その前2回と合わせた3回のパターンで判定する。そのようにして1回投げるごとに判定する賭けで「あなた」が先に予想し、「私」はそれを見て、自分の予想をするならば、「あなた」の予想が先に出る確率はどのようになるか。

 再挑戦と言っても、私には、綺麗に一般式を求める能力はないので、泥臭く可能なケースを数え上げて数値計算をしました。さらに、全部ではなく、前に間違えた「〇✕〇(あなたの予想)が〇〇✕(私の予想)より先に出る確率」だけ、とりあえず計算しました。なお、以下、コインの表を〇、裏を×と表記します。

 〇✕〇が出て勝負がつく以前には〇✕〇も〇〇✕も出ていないので、そのようなコインの出方を数え上げました。最短で勝負がつくのは、3回目に〇✕〇となる1ケースだけで、その確率は1/8です。4回目に勝負がつくのは、〇✕〇の前の1回目に〇と×の出る2通りが候補ですが、〇の場合は〇〇✕〇となり、3回目に〇〇✕が出ているのであり得ません。結局✕〇✕〇の1ケースだけで、この確率は1/16です。以下、同様に探していきますが、どんどん数が増え収拾がつかなくなりました。そこで、一工夫して漸化式を求めました。

 2回の並びのひとつ前に出ているのは、〇✕〇か〇〇✕にならないものに限られます。つまり、次のようになります。

  • 〇〇の前は〇と✕の2通り
  • 〇✕の前は✕の1通り
  • ✕〇の前は✕の1通り
  • ✕✕の前は〇と✕の2通り

 よって、4種類の二つ並びのひとつ前の二つ並びの可能性は、次のようになります。

  • 〇〇 → 〇〇と✕〇   
  • 〇✕ → ✕〇
  • ✕〇 → ✕✕
  • ✕✕ → 〇✕と✕✕

 このことから、n回目の〇✕〇で勝負がつくときの1回目と2回目の〇〇、〇✕、✕〇、✕✕の数をA(n)、B(n)、C(n)、D(n)とすると、A(n+1)、B(n+1)、C(n+1)、D(n+1)は、次の遷移図であらわせます。

 遷移図より、次の漸化式が得られます。

  • A(n+1)=A(n)
  • B(n+1)=D(n)
  • C(n+1)=A(n)+B(n)
  • D(n+1)=C(n)+D(n)

 以上より、〇✕〇が〇〇✕より先に出る確率は、 {A(n)+B(n)+C(n)+D(n)}×1/2^nをn=3から無限大まで合計したものになります。

 あとは、計算するだけです。初期値をA(3)=C(3)=D(3)=0、B(3)=1として計算した結果は次の通りです。表にはn=10まで示していますが、n=40で0.33333とほぼ1/3でした。

 多分、こんどは間違いないと思いますが、漸化式を一般項の式にすることはできませんでした。というか、あまり考えていません。趣味みたいなものなので、漸化式が分かっただけでも満足しちゃったからです。それにしても、1/3という簡単な値になるのが不思議ですね。