英語順序固定

以前にも書きましたが,掛け算の「ひとつ分」と「いくつ分」の意味を理解しているのかを,掛け算順序ルールを守っているかどうかで判定するというのは無理です。

先生が教えた気になれる「掛け算順序ルール」
http://d.hatena.ne.jp/shinzor/20151105/1446712847

 意味を理解しているのか確かめたいのなら,「意味は何」と尋ねりゃ済みます。あまりに馬鹿馬鹿しいので,英単語の意味を理解しているか判別するための英語順序ルールを妄想してしまいました。

 「dog」と「cat」の意味を理解しているかを確かめる凡庸なやり方は日本語に訳させることだ。「犬」と「猫」は正解。「馬」と「カエル」なら不正解。これでは芸がなさすぎる。 順序教育の場合は,「犬」を意味する英語を先に,「猫」を意味する英語を後に書くというルールがある。実際には,そのような英文法はないが,言葉の意味を理解させる為の段階的教育法として有効なのである。

 また,理解の測定も簡単にできる。このルールに従えば,「dog」と「cat」の意味を問う問題の正解は,「dog cat」が正解となる。日本語に訳さなくても意味を理解しているか判定出来る画期的テストといえる。

 また,「犬は猫より大きい」を英文にせよという問題の正解は,「A dog is bigger than a cat」である。しかし,「猫は犬より小さい」を「A cat is smaler than a dog」は間違いである。この場合も「A dog is bigger than a cat」と書かねばならない。実際にはどちらでも意味は同じになるが,教育段階では順序は守らねばならぬ。

 さすがに交換則を否定するのは憚られるのか,「意味」を理解させる為の教育上の便法という言い訳は良く目にします。そうだとすると,本当に重要なのは「意味」であって,順序ルールはそれを理解しているかを判別する先生側の手段ということになります。順序ルール自体が重要なら覚える必要があります。でも,先生の採点の都合のために,便法に過ぎない順序ルールを覚えさせられるなんて迷惑な話です。しかも,ちゃんと覚えていないと「意味」を理解していても,理解していないと採点されますから,迷惑どころではありません。