速さ当り距離

 「距離」=「速さ」×「時間」では、「速さ」が「時間」当たり「距離」と考えるのが普通です。が、「時間」を「速さ」当たり「距離」と考えることもできます。違和感はあるかもしれませんが慣れの問題に過ぎません。時速7キロメートルで5時間進んだ時の距離は、時速1キロメートル(単位速さ)で5時間進んだ時の距離の7倍というだけです。

 違和感があるのは、「距離」と「時間」を先に定めて、そこから「速さ」を「単位時間」当たりに進む「距離」(「速さ」=「距離」/「時間」)としたという言葉を定めた順序に影響されているだけだと思います。つまり、「距離」の単位(km)と「時間」の単位(h)が先にあって、それを使って「速さ」の単位は(km/h)と「時間当たり距離」らしい形になっているというだけのことでしょう。

 仮に「速さ」と「時間」を先に定めて、そこから「距離」=「速さ」×「時間」という順序で定めたのなら、「時間」を「速さ」当たり「距離」とすることに何の抵抗もないと思います。実はそのような順序になっているのが「光年」です。1光年は「距離」の単位で、光の速さで1年進んだ時の距離です。この場合、速さの単位をV、時間の単位をTとすれば、距離の単位はVTとなります。速さはVT/Tで時間当たり距離、時間はVT/Vで速さ当り距離です。全く同等という趣になります。

まだ、アボカドや肉に寿司ネタとして違和感がある人もいるとは思いますが。