競技スポーツは体に悪い

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 世界陸連がこの決定を下すまで、トランス女性の選手は天然のテストステロンが基準値以下であれば、トップレベルの大会に参加することができた。血液1リットル当たり5ナノモルという2018年に決められた基準は、南アフリカキャスター・セメンヤ選手のような性分化疾患DSD)を持つ選手の参加に疑問を投げかけた。

 陸連は、DSDの女性アスリートに対し、テストステロンの値を下げるためのひとつの方法として経口避妊薬の使用を提案した。

 世界医師会は、倫理的な理由から陸連を全面的に批判した。

 世界陸連は今年3月、運動機能を決定する唯一の要因としてしばしば認識される血中テストステロン値の上限を2.5ナノモルに引き下げたうえ、DSD選手の場合、この基準を2年間維持しなければならないと厳格化した。

 ディウフ選手はこの条件を満たしている。「3年前の2020年1月、南仏に移ったときからホルモン治療を始めた。エストロゲンプロゲステロン、テストステロンブロッカーを始めた。結果が出るまで3―4カ月かかった。一晩で女性になれるわけではなく本当に時間がかかるのだ。徐々に進行していく」

 「彼女のテストステロン値は現在、生まれつき女性のシスジェンダー女性の平均値を下回っている」

 ディウフ選手を担当する内分泌学者のアラン・ベルリナー氏は、陸連の措置を「トランス恐怖症」だと批判する。

 「女性の血中テストステロン値は、1リットル当たり0.28から1.67ナノモル。ディウフ選手は0.73ナノモルだ。彼女のテストステロン値は非常に低く、それがスポーツで彼女を優位にすることは絶対にない。ディウフ選手の場合、あらゆる意味で女性であり、ホルモン的、生理学的、法的にも女性だ。すべてがそろっているのだ」

 

 記事を読む限り、世界陸連がトランスジェンダー選手の女子種目への出場を禁止した理由が不明です。世界陸連が今年3月に自ら定めた基準をアルバ・ディウフ選手は満たしていると記事には書いてあります。少なくとも、自分が女性だと思うから女性なのだという自認女性ではないようです。自認だけで女性と認めれば公平性の観点からの性別の区分が意味をなさないことは前の記事に書きましたが、今度は世界陸連の方がこの区分を無意味にしているように思えます。

 アラン・ベルリナー氏が言うように「彼女のテストステロン値は非常に低く、それがスポーツで彼女を優位にすることは絶対にない。」のなら、公平性の観点から彼女が出場できない理由はありません。世界陸連が従来の基準を撤回したのなら新たな基準を示すべきですが、記事からはそこがわかりません。トランスジェンダー選手だからとしか書いてありません。

 世界陸連の基準に従い、彼女はホルモン治療を行い、テストステロン値を下げたにもかかわらず、出場を認めないのならだまし討ちじゃないですかね。さすがにそれはあまりに酷いので、記事には重要な事項が書かれていないのかもしれません。しかし、記事に書かれていることだけから判断すれば、世界陸連は正当な理由なく出場を拒否しており差別を行っているように見えます。記事が正確なのか怪しいですが

 それにしても、競技スポーツは体に悪いですね。一方でドーピングを禁止しながら、世界医師会が批判する経口避妊薬の使用をトランスジェンダー選手に提案するのですよ。女性として出場するためにはホルモン治療を行わなければなりません。体重別の区分で行われている過度の減量も体に悪そうです。女子選手の鉄剤注射による健康被害、格闘技の怪我、など健康に悪そうなことばかりです。競技とは勝つために総てを犠牲にするものと選手が了解しているのなら仕方ないかもしれません。でも、ルールをコロコロ変えるのは選手に対するだまし討ちですからね。勝つための犠牲には倫理もあるんでしょうか、有利なルールに改正させるために関係団体からの倫理無用の圧力があるのでしょうか?