環境基準の恣意的解釈


 私は中澤委員長にブロックされているので,彼の愉快なツィートを見ることが出来なくなって残念です。のりしおさんのツイートで間接的に知ることができ,あまりに面白いので引用しました。

 それにしても,中澤委員長は「良いベンゼン,悪いベンゼン」と言うかと思えば,今度は「環境基準の10倍」とは,恣意的ですね。多分,環境基準がどういうものかこ存じないのでしょう。

 東京都の平成27年モニタリングを見てみたら,環境基準の10倍超の場所が2か所ありましたよ。
https://www.kankyo.metro.tokyo.jp/water/groundwater/H27%20%E5%85%A8%E8%AA%BF%E6%9F%BB%E7%B5%90%E6%9E%9C.pdf

大田区下丸子2
  1,2-ジクロロエチレン 1.2mg/L (環境基準 0.04mg/Lの30倍)
  トリクロロエチレン  0.63mg/L (環境基準 0.01mg/Lの63倍)
  テトラクロロエチレン 0.45mg/L (環境基準 0.01mg/Lの45倍)
・日野市日野台4 
  トリクロロエチレン  0.19mg/L (環境基準 0.01mg/Lの19倍)

 単なる環境基準超なら,継続監指調査地点101か所のうち59か所あります。それで,大問題が起きているかというと,継続監視を続けるだけです。継続監指調査とは過去に汚染が観測された地点を継続的に監視することです。したがって過去には101か所の環境基準超があったということです。安定的に基準を下回れば観測を止めます。これらの地点が使用禁止になったりはしませんし,中澤委員長の言うように問題になることもありません。ただ,環境基準を下回るように東京都は今後も努力していくだけです。環境基準とは現状を改善する将来目標ですから,現時点で基準越えがない方がおかしいというか,意味がないと言えます。

 築地市場がこの件に関して違法状態であったわけでも,食の安全の危険があるわけでもありません。ただし,都は改善の努力をしないといけないということにはなるでしょう。どうせ豊洲に移転するからというのは理由になりません。環境基準は土地の利用形態に無関係だからです。とはいえ,豊洲で行ったような土壌入れ替えのような過剰な対策を行うわけではなくて,排水規制のような行政的措置を行うだけでしょうが。

 私の住むマンション敷地にもひ素があります。重要事項説明書に記載がありますし,口頭でも説明を受けました。ヒ素はありふれた汚染物質です。将来,井戸を掘って飲料水にしたりしないために,こういう注意事項は必要ですが,住宅としての使用には何ら不都合はありません。こんな危険なマンションに引っ越しできないと騒ぐ人もいません。