発注者の積算ミスで減額変更契約

着工後に入札ミス判明、“誤った”落札者で工事続行 
http://kenplatz.nikkeibp.co.jp/article/const/news/20150616/703532/

 工事を受注した落札者に落ち度はなく、工事費を減額する法的な根拠はない。それでも県は、「減額に応じる義務はないが、何とか協力してもらいたい」(土木部建設管理課)としている。

 メチャクチャな言い分だ。だが,発注者が過大積算したため,受注者に減額を求める例は昔からある。このようなデタラメな処理が議会や会計の監査でなぜ指摘されないのかと不思議に思う人がいるかも知れない。しかし,議会や監査はデタラメ処理よりも過大積算を重視し指摘するのである。必然的に,公務員はデタラメな処理を行うようになる。つまり,議会や会計の監査がデタラメな処理を推進しているのである。

 どうも,議会や会計検査院(ひいては有権者)は,結果的に支出が少なければよくて,筋の通らない理屈でゼネコンが不利益を被っても,「どうせ儲けているんだから」ぐらいにしか感じていないのではないか。私にはそうとしか思えない。

 積算ミスは結構あって,この種の理不尽な処理は昔から行われている。公務員もバカではないので,理不尽な事は分かっている。だから受注者にはお願いベースで交渉する。受注者も貸しを作っておけば将来役立つとでも考えるのか,受け入れるのである。デタラメでも八方丸くおさまるのである。

 この理不尽を解決するのは簡単である。議会や監査で指摘すればよいのである。そうなれば,公務員は絶対に止める。しつこいが公務員もバカじゃない。でも,一向に議員は指摘しない。議員はバカなのだろうか。いやバカではない。もし指摘すれば有権者からゼネコンとの癒着を疑われかねない。となると,バカは有権者なのか?いやいや有権者もバカではない。ゼネコンの不利益は自分には直接関係しないからだ。でも本当に関係しないのか。この様な理不尽は工事費を不透明にする。「どうせ儲けているんだから」というのは,ゼネコンの応札額に理不尽な要求を織り込むことを認めていることになる。