「シルバーデモクラシー」って何?

 大阪の住民投票で「シルバーデモクラシー」という言葉を知りました。その意味は,「有権者のうち、高齢者が占める割合が高いため、高齢者の意見が過剰に政治に反映されやすい状態を指す。」という否定的な意味合いのようです。
http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B7%A5%EB%A5%D0%A1%BC%A5%C7%A5%E2%A5%AF%A5%E9%A5%B7%A1%BC

 しかし,なぜ「過剰」なのでしょうかね。仮に高齢者には一人2票,若年層は一人1票というのなら高齢者に過剰ですが,同じ1票なら平等なはずです。人口比率に応じて投票に反映されるのは全く妥当なことなのにです。どうも,若年層の投票率が低いことを問題にしている言葉らしいのです。「シルバー」と言うので高齢層の問題かと思ったら,実は若年層の問題だったんですね。そう言う問題なら,以前から散々話題になっていましたから,私も知っています。
http://ameblo.jp/prea0718/entry-11868803096.html

 それで言いたいことは,この言葉はネーミングとしてよろしくない,ということです。私のように高齢者に何か問題があると勘違いし易いからですね。勘違いが私だけでないことが,今度の大阪住民投票で顕在化しました。「シルバーデモクラシー」という言葉が,まるで「老害」というような意味合いで使われていました。懸念すべき問題は若年層の低投票率であるにもかかわらずです。

 「シルバーデモクラシー」という言葉のせいで,存在しない「老害」が存在するかのように錯覚し,挙げ句に,高齢者の選挙権を制限すべきなどという暴論まで現れています。これは,治安の地域格差を是正するため,治安の良い地域を悪化させるようなものです。対策の対象と方向性がひっくり返っています。

 ネーミングは馬鹿にできません。