「化学物質過敏症」が本当なら、周囲が配慮してあげることはほとんど不可能

学校での香料自粛を 過敏症の生徒ら増加
http://www.chunichi.co.jp/article/living/life/CK2013101402000005.html
化学物質過敏症の当事者の団体や彼らを支援する市民団体が今月四日、文部科学省に「学校等における香料自粛に関する要望」を提出した。香料を使用した柔軟剤や制汗剤などで健康状態が悪化する学生や生徒が多いことを理由に挙げている。今後、他省庁にも香料を使った製品による健康被害の対策づくりを求めていく。

 「音波過敏症」という病気をご存じでしょうか。この病気は,普通の人には全く聞こえない,極めて小さな音に反応して,様々な症状を引き起こします。環境には暗騒音が満ちあふれていますので,患者さんは,夜も眠れませんし,普通の日常生活を送ることが困難になり,人里離れた山奥に避難するという不便な生活を強いられます。

 もちろん「音波過敏症」は私がでっち上げた架空の病気ですが,普通の人だって,大音量の街宣車や,防音設備がなく騒音を垂れ流すカラオケは迷惑でしょう。騒音を垂れ流さないというのは,最低限のマナーです。しかし,普通の人には聞こえない音を規制することなど不可能です。当然のマナーを徹底させるために,関係のない「音波過敏症」患者を持ち出す必要など無いのは言うまでもありません。

 「音波過敏症」はウソですが,「日光過敏症」は実在します。この患者も外出時には日焼け対策を厳重に行う必要があり,大きな生活上のハンデを抱えています。彼らが不自由なく生活できる様に,町中を日陰にするなど,社会の方で配慮するのは不可能です。一方で,最近は全面ガラス張りのビルの反射光による「光害」という問題も発生していて,これは規制などの何らかの社会的対応が必要でしょう。

 そもそも「化学物質過敏症」自体が疑わしいのですが,仮に存在するとしても,残念ながら社会的に患者に配慮するのは不可能です。「音波過敏症」なら無響室のような環境を必要としますし,「日光過敏症」なら「一日中夜」の環境が必要です。「化学物質過敏症」なら街中を巨大ドームで覆い「クリーンシティ」にしなければなりません。

 ユニバーサルデザインで健常者も障害者も共に不自由なく生活できる環境が理想ですが、残念ながら限度はあります。あまりに極端な対策が必要ならば、不便に甘んじなけらばならないという現実はあります。しかし、現実ではなく、誰かにそう思い込まされていた「虚構」だとしたら、市民団体が抗議する相手は誰。