https://twitter.com/HayakawaYukio/status/571804798644834305
早川由紀夫4年前、正常性バイアスに振れたひとが津波で命を落とした。恐怖症にかかったひとは一目散に逃げて助かった。その直後に起こった原発事故は、どうやら、正常性バイアスに振れたひとがよい結果を得たようだ。
津波警報を理由に避難した人を「恐怖症にかかったひと」とは随分失礼です。また,冷静に放射線の危険を評価して避難しなかった人を「正常性バイアスに振れたひと」というのも人を馬鹿にしたもの言いです。
いうまでもなく,「恐怖症」とは取るに足らない危険を過敏に恐れることで,「正常性バイアス」とは危険情報を過小評価することです。しかし,早川氏は逃げれば「恐怖症」,逃げなければ「正常性バイアス」と結果の行動だけで決めつけ,その行動を選択した判断については無視しています。
早川氏に言わせれば,逃げても逃げなくてもその心理は不合理な感情に基づくのであって,合理的な判断はあり得ないとなるようです。闇雲に避難を勧めた自分は恐怖症に罹っていたと気づいたのは大きな進歩ですが,自分だけでなく他の人も不合理な心理状態でなければ不満なのでしょうか。
誰もが,正常な判断が出来ないとなると,行動の結果は運次第ということになり,情報の正誤も無関係になり,情報発信者の責任を問うても無意味になります。
これは,「信頼できることなど何一つ無いのだ」という極端な相対主義への危険な兆候ではないでしょうか。以前の早川氏は,当局は信頼出来ないが,自分は信頼出来ると考えていたようです。自分も信頼出来ないと気づいてしまって落ち込むかと思えば,当局が信頼出来ないことを知っている自分は誇らしいと潔くないことを言っています。
極端な相対主義は自分自身も含めた総てを無力化するはずですが,自分は高見にいて,その影響を免れているといいうダブスタの傾向があります。なんとなくそれを感じさせる印象のツイートです。