豊洲市場の耐震性

豊洲市場耐震強度を検証へ 計算方法に専門家は異議
http://www.asahi.com/articles/ASJBS63QZJBSUTIL05Q.html?rm=275

 関係者によると、検証が必要との指摘が出ているのは、耐震強度の計算方法。設計会社は、地下空間の構造が強固なため、杭が建物1階床下から地下に打ち込まれた前提で耐震強度などの構造計算をしていたという。25日の会合に担当者が出席し、説明する予定という。

 一方、PT関係者からは「実際には地下空間下から杭が打ち込まれており、構造計算をやり直す必要がある」との指摘が出ている。大規模建築の構造計算について詳しい今川憲英・東京電機大教授は「設計会社の構造計算は、施設を地上と地下部分に分けている。豊洲市場の敷地は盛り土がされ、比較的軟らかい。地下も含めて一体の構造物と考えて計算するべきだ」と話す。

 今川憲英教授の指摘は文章だけ読むともっともです。なんとなく、実際は下に示す左上の状態なのに、右上のように1階分少なくモデル化しているように感じるのではないでしょうか。以前に建築エコノミスト森山氏が地下部分は柱だけで支えるピロティ構造なので危険であると指摘していましたが、そうだとすると確かに危険です。

 しかし、図面を見ると、地下にあるのは細長い柱ではなく、ゴロンとした塊の基礎です。断面図が専門家会議の資料にあります。

資料5−1
地下空間
http://www.shijou.metro.tokyo.jp/toyosu/pdf/expert/01/05_1.pdf
 
 分かり安く示すと、図の下のようなイメージです。基礎を下げて柱を下に伸ばしたのではなく、基礎の下端を下げて大きくしています。水平方向に地震力が作用した時に、地下空間部分の基礎が壊れるようにはとても思えませんけどね。