虐待とストレス ー 自分の経験より

法政大学の越智啓太教授よ、「血のつながりのない親子」を差別するのはやめてくれ
http://anond.hatelabo.jp/20160130160029

 継父が実父よりも虐待率が高いのは,疑似相関かもしれず,原因の一つだとしても重要なものではない。

 これが,リンク先記事の趣旨で,私も同意します。仮に多少の相関があったとしても,虐待対策として子持ち女性の再婚を禁止するわけにもいかないでしょうから,越智啓太教授のようなコメントをしたところで詮無いことですね。

 ところで,増田記事で引用されている次のデータは,虐待の直接的な原因を示唆しているような気がします。

虐待者の内訳は、実母が63.3%、実父が21.6%と、実父・母が虐待者であることが多くなっています。前回調査と、全体の傾向に変化はありません。

 母親の方が暴力的とは考えにくいので,母親の虐待が多いのは育児ストレスが多いからでしょう。一般的に,父親は育児にかかわることが少ない気楽な立場です。今回の事件では「ガンつけられた」のがストレスになっています。まともな人間なら,その程度で暴力を爆発させるほどのストレスは感じませんから,永富容疑者のキャラクターが大きな要因でしょう。母親や継父のキャラクターがストレスに弱いとは考えにくいですが,置かれた立場や状況にはストレスが多そうです。

 育児ストレスについては,私にも多少の経験があります。子供をあやしていた時に,なかなか泣き止まないので,激しく揺すってしまいました。夜中のことで,かなりイライラしていたと思います。後で,子供を激しく揺すると脳に障害が生じることがあると知って,ゾッとしました。幸いにして何事もありませんでしたが,私と永富容疑者の違いは程度問題ともいえます。ただ,私は取り返しのつかないことになっていたかもしれないと知った時にはゾッとしましたが,永富容疑者は逮捕されても気にしていないようで,程度問題だけではない違いもありそうです。

 今回の事件を継父一般の傾向と考えるのは行き過ぎですが,どうせ一般化するなら,だれでも虐待犯になる可能性があるぐらいに考えたほうがマシだと思います。子供って元気そうで意外にもろいですからね。