考えるな,感じろ ・・・ 無理

 算数教育界隈では,足し算順序教育も有名です。次のような「専門用語」まで開発されて熱心に教育が行われているようです。

合併:みかんが 2こと、3こ あります。あわせて いくつですか。
増加:みかんが 5こ あります。 2こい ふえると なんこに なりますか。
求大:アリスは みかんを 3こ もっています。ボブは アリスより みかんを 2こ おおく もっています。ボブは なんこ みかんを もっていますか。

 このうち,順序があるのは,増加と求大で,合併にはないということです。求大の読み方は「きゅうだい」かどうかは知りませんが,「きゅうだい」だと「及第」を思い浮かべますね。私は九州出身なので「九大」や「久大線」も連想してしまいます。

 そんなことはどうでもよいですが,twitterをみていたら次のような問題が紹介されていました。

 

 重さ500gのカバンに,700gの本を入れたときの重さの正しい式は,500+700=1200であって,700+500=1200 はバツになっています。増加だからだそうです。合併なのか増加なのかは,きわめて感覚的であいまいという気もしますが,そこを鋭敏に「感じ」させるのが順序教育の目的なのでしょう。

 たぶん,増加と解釈するのは,最初にカバンがあって後から本を入れたからだと思います。でも,感覚の鈍い私は,最初に本があったけど汚れそうなので,後からカバンに入れたと「感じ」ました。裸で本を持ち歩いていて,汚すことがよくあるもので。

 いや駄目ですね。こんな個人的事情のひねくれた「感じ」方はバツです。小学校の教育なのですから,素直に常識的に考えるのが大事だと言われそうです。反省します。

 で,常識的に考えてみると,最初から本もカバンもあったんじゃないかという「感じ」がしてきました。カバンの重さが700g増加したわけでも,本の重さが500g増加したわけでもないので,増加ではなく,合併という「感じ」がどんどん強くなってきます。うーん,私には,とても習得できそうにないな。