建築維持管理の空白

豊洲市場の問題は、盛土の有無なんかではない。建物が竣工しているのに「地下水位の管理システムが」稼働していないことだ。
http://togetter.com/li/1025314#

 豊洲市場のピットたまり水問題に関して,地下水管理システムが稼働していないのが問題という批判がある。もっともだが,市場の引っ越しと管理人員の配置もできておらず,稼働しようがないのではないだろうか。汚染水監視目的とは別に工事中の安全のための水位観測と,揚水井戸は必ずあるはすだが(なければ工事不可能)完成すれば,特約がない限り,機器類は撤去される。

 工事は今年の3月完了なので,引き渡し後は,発注者の管理責任になる。また市場開場は11月予定だったが,その間の施設管理が曖昧だったのかもしれない。

 家は人が住まないと荒れると言われる。住むとは維持管理することだ。工事完成引き渡し後は,施設管理者が行わなければならないが,豊洲市場はそれが出来ない空白状態になっていた可能性があるかもしれない。地下ピット(湧水ピット)に水が溜まるのは,普通にあり得ることだが,ほったらかしにしていたとすれば,他にも建築維持管理上の問題がいろいろ起こることは予想できる。汚染水管理システムも長期間動かさないと稼働しようとしても動かないかもしれない。

 調査を完璧にしてから引っ越しもよいが,その間に施設がどんどん劣化することも考慮して欲しい。