「双子の性別問題」も「眠り姫問題」と同型

 今頃になって気づきました。以前の記事に書いた「双子の性別問題」も、「眠り姫問題」と同型ですね。

shinzor.hatenablog.com

  • 問1「私には子供が2人います。一人は女の子です。もう一人も女の子である確率はどれほどか?」
  • 問2「私には子供が2人います。上の子は女の子です。下の子も女の子である確率はどれほどか?」

 

 問1と問2の八分表は次の通りです。求める確率は、(太枠)/(黄色塗)になります。

 「目覚め」は、「少なくとも一人は女の子」に、「睡眠」は、「二人とも男の子」に、「月曜」は、「妹がいる場合」に、「火曜」は、「弟がいる場合」に、「コイン表」は、「兄がいる場合」に、「コイン裏」は「姉がいる場合」にそれぞれ対応しています。

 このように、図表にすると、明確ですが、文章の問題だと、問1と問2の違いがわかりにくいです。紹介しているものの中には、どちらにも解釈できる曖昧なものもあります。ただ、問2の解釈をする人は、問1の解釈が頭の中にないのに対して、問1の解釈をする人は、両方の可能性に気づいたうえで、問2の解釈を否定します。

 次のジャンケン問題も人によって解釈が違うようです。

2連勝ジャンケン問題

AとBがジャンケン2回戦を行った。Aは2連勝していないことだけわかっている。Aが1回戦で勝った確率は?

 ジャンケン問題には、「Aが2連勝していない」という条件が付いていますが、「Aが1回戦で勝った確率」に影響しないと考えるのもアリかもしれません。ただし、それは条件付き確率の問題ではないと解釈しているわけです。眠り姫問題に1/2と答える人(最初の私のことですが)もそうです。

 そもそも条件付き確率というものが、多くの人が素朴にイメージしている確率と違うようです。少なくとも私が条件付き確率を最初に知った時は、奇妙に感じました。

 私の素朴な言語感覚では、「明日の雨の確率」は自然な語感ですが、「昨日が、雨だった確率」だと少し違和感があります。「Aなる条件でBの起こる確率」と聞くとAが原因でBが起こったという因果関係や、AのあとにBが起こったという順序関係があるかのように感じます。ジャンケン問題では、Aが2連勝したのは、1回戦のあとの出来事なので、1回戦の結果に影響しないと感じます。

 しかし、条件付き確率には、そのような因果関係も順序関係もなく、単に、条件Aを満たしているものの中のBの割合というだけで、八分表の(太枠)/(黄色塗)という意味しかないのですね。それだけのことで、難解な意味はないと思います。