■ いろんな読み方があるものだ

  新規のお客様の場合、成人男性にはコーヒーを、その他にはソフトドリンクをサービスします。 

 

 この文は、私が仕事で作った文の設定を変えたものですが、骨格は同じものです。これに対して次のような質問がありました。

 

「その他」とは成人男性以外の男性のことか。あるいは新規のお客以外のことか。前者の場合は、未成年男性ということか。後者の場合は「その他の場合には」とした方がよいのではないか。

 

 私は、質問者のいう前者のつもりでした。つまり、

・新規のお客様かつ成人男性にはコーヒーサービス

・新規のお客様かつ成人男性以外にはソフトドリンクサービス

 

 一方、質問者の「後者の場合」は、次のようになります。

・新規のお客様かつ成人男性にはコーヒーサービス

・新規のお客様以外にはソフトドリンクサービス

 

 質問者としても、この解釈は無理があると感じているようで、「後者の場合「その他の場合には」と修正した方がよいのではないかという意見になっています。

 

 この文の後に「新規のお客様以外の場合」の文があり、この文は新規のお客様について述べているのは明白だと私は思っていました。しかし、人によっては受け取り方が違うということをあらためて実感しました。

 

 曖昧さをなくのであれば、次の様にでもすればよいです。

 

 新規のお客様でかつ成人男性にはコーヒーを、新規のお客様でかつ成人男性以外にはソフトドリンクをサービスします。

 

 ただ、くどい表現です。実は法令文はこの種のくどい表現になっていてなんとも読みにくいです。