興味深いけど結論の出ない話と確実だけど当たり前の話

信号を守る日本人の方が2.3倍も歩行者事故が多いのは?

 リンク先の記事を読んでいて、数十年前に書いた雑感を思い出しました。「赤信号みんなで渡れば怖くないけど、危ない。赤信号一人で渡れば、怖いけど危なくない」というような内容でした。北野武のフレーズは中年以上なら知らない人はいないと思いますが、一人バージョンの森毅のフレーズは知らない人も多いかもしれません。

 他人がやっているからと追従すると危ないことがあるけど、一人で物事を行おうとすると怖いので安全を十分確認するという主旨の記事でした。しかし、今になって考えてみると一人でも、安全を確認しない場合はあるんですね。つい最近も、車が来ているのに、赤信号を渡っている子供を目撃しました。なんて命知らずなのだと驚きましたが、案外命知らずは多いのかもしれません。リンク先の記事には、日本は高齢者の事故が多いと書いてありますが、高齢者は子供に返るのかもしれません。高齢者でなくても子供みたいな行動をする人もいます。

 ところで、フランスと日本の事故を比べた表を見て、気づいたのですが日本の死者が異常に少ないですね。日本の人口はフランスの2倍で、事故と負傷者は10倍なのに、死者数は同じくらいです。この理由はいろいろ考えられ、例えば日本は歩行者が多いので死者も多いとか、フランスではちょっとした事故は届け出ないので、負傷者や事故件数が少ないというような理由です。それ以前に、統計の取り方が日本とフランスで違う可能性もあります。日本の警察の発表は24時間以内の死者数ですが、フランスは違うかもしれません。ただ、そのような理由が正しいのかどうかは示されている統計では分かりません。

 愚直に信号を守る方が危ないという仮説になると、さらに根拠薄弱です。自己責任だとか安全確認に関するデータは全くありませんから。なんとなく、日本人よりフランス人の方が自己責任的行動をしそうな気がしますが、あくまでイメージでそんな気がするだけです。なにか興味深いことを言えるような根拠はなにもありません。

 私の以前の雑感も根拠のない自分の考えを書いただけです。一応言い訳をしておくと、「自己責任の行動は安全である」というつもりはなく、「周囲につられて安全確認をおろそかにしないほうが良い」という程度の雑感でした。要するに、目から鱗が落ちるような新しいことは何も言っておらず、昔から言い続けれれている当たり前のことを繰り返しているだけです。私が書いていることは、そういうことが多いようです。