安全なコブスキー

 まだ,人工スキー場のザウスがあったころ,斜面の端っこに縦溝コブが出来ていて,モーグラーがガンガン滑っていました。昔はコブも滑っていたつもりなので,試しに入ってみたら恐怖でしたね。溝に板が嵌って,横に向けられません。無理に横にすると,ロケットのように横に飛び出しクラッシュです。いわゆる「発射」です。早々に退散しました。

 その後は,フラットな緩斜面でファミリースキーに徹していましたが,子供が大きくなったので再び溝コブに挑戦し始めました。いろいろ,ネットの滑り方情報を見たり,コブスクールにも入りましたが,年に数回しか行けないので,なかなか要領がつかめませんでした。それでも,今年のシーズン終り頃になって少しわかってきました。

 滑り方指南にはいろんなことが書いてありますが,どちらかというと上級者向けです。私のようなヘボは,いくつかの基本に集中したほうがよいようです。私が重要だと思った基本はわずかです。

1.下向きの外向傾で真下に横滑り出来る事。
2.とにかく,板の真ん中に乗ること。
3.とにかく,外足荷重

 なんと,スキーを始めた頃に教えてもらったことばかりです。実は,それが全然できていなかったんですね。フラットな斜面では,それでも滑れますが,コブだと無理です。でも,昔は滑っていたつもりだったんです。多分,昔は横に逃げていて,それで滑った気になったいただけのようです。基本の確認にコブは最適です。要するに,コブが滑れないのではなく,フラットバーンも含めて滑れていなかったんです。

 バンクターンという高等技術もありますが,今の私はまず横滑りのズルズルドンの習得が課題です。まだ,十分できませんが,少しわかったことは,

4.コブにドンとぶつかるときにスキーが横向きだと遅すぎる。次のターンの始動で縦向きにしながらドンと行く。とにかくコブは忙しい

5.外足荷重から次のターンの外足に一機に荷重移動しない。一瞬,両足荷重の直滑降姿勢を意識する。

6.直滑降姿勢の時が一番,後傾になりやすいので,体を下に投げ出す。これは結構怖いが,うまくできるとスムースにターンできる。


 一番,誤解していたのは,ターンの終わりが「ドン」だと思っていたことです。「ドン」の後で次のターンに入ろうとすると遅すぎて,横に飛び出しそうになります。慌てて,一気に板をひねったり,ジャンプしてしまいます。結果,板が引っかかったり,ドタドタしたスベリになり,コブをなめるようなエレガントなスベリが出来ません。

 それから,気づいたのは,コブ斜面でぶっ飛ばしているのは超上級モーグラーなので,ぶつけられる心配がほとんどありません。私のようなヘボはゆっくり滑るので,意外に安全だということです。

 年のせいで,ゆっくり滑るようにしているのですが,昨シーズン、フラットな緩斜面で2回も追突されました。若い時はスピードを出していたので,自分からぶつかっていかない限り,ぶつかることはありませんでしたし,自分からぶつけたのは,スキーを始めた頃に転んでそのまま衝突した1回だけでした。

 来シーズンはもう少し滑れるようになりたいけど,老化との競争が厳しいですね。