データのつまみ食い

 上のグラフでは,豊洲市場6街区外気中のベンゼン濃度と,都内12か所のH18〜H27年の平均を比較しています。これだけ見ると,豊洲市場の急上昇が非常に気になるグラフになっています。しかし,都内12か所のH18〜H27年の平均は,東京都環境局の大気モニタリング調査の各年度の都一般平均をさらに10年間で平均したものと思いますが,各年度の区部のグラフを下図に示します。

 一目瞭然ですが,H28の0.5〜2.5μg/㎥程度というかそれ以上の変動は常にあり,特に異常なことが起きているわけではありません。また,豊洲市場6街区のグラフは,第5回専門家会議の資料から作成したと思われますが,会議では都内3か所の同じ時期のベンゼン濃度のグラフも示されています。

 9月から12月にかけて豊洲と同じように上昇しています。議事録にもその説明が残っています。このグラフを隠して,豊洲市場のグラフと変動を消した10年平均グラフと比較するのは,きわめてアンフェアな印象操作行為です。