小池知事の尻ぬぐいをさせられる消費者

小池都知事、市場移転問題「最終的に消費者が選択」

築地市場豊洲移転問題については「法的・科学的な安全と、消費者の選択・意思としての安心の両方を満たすことが必要。最終的に消費者が選択をする」とあらためて持論を述べた。

 小池知事は,半年ほど前には,消費者の選択で,ではなく,自分の判断で豊洲移転を延期しました。住民投票も消費者の意見を聞いてもいません。知事の権限は非常に大きく,その必要はないからです。地方自治法には知事の権限を次のように定めています。

第百四十九条
普通地方公共団体の長は、概ね左に掲げる事務を担任する。
一  普通地方公共団体の議会の議決を経べき事件につきその議案を提出すること。
二  予算を調製し、及びこれを執行すること。
三  地方税を賦課徴収し、分担金、使用料、加入金又は手数料を徴収し、及び過料を科すること。
四  決算を普通地方公共団体の議会の認定に付すること。
五  会計を監督すること。
六  財産を取得し、管理し、及び処分すること。
七  公の施設を設置し、管理し、及び廃止すること。
八  証書及び公文書類を保管すること。
九  前各号に定めるものを除く外、当該普通地方公共団体の事務を執行すること。

 過去にも,ダム建設や大規模博覧会の中止をした知事がいます。小池知事も移転延期はこれらの前例同様に,自分の判断が正しいと信じて知事の権限を発揮したのだと思います。そして重要なのは,移転延期であって移転中止ではなかったことです。従って,最終的に再開するか中止するか決断しなければなりませんが,ここにきて,自分では決断したくないらしく,消費者が選択すると言い出しました。

 自分で下した決断の後始末は自分でしてくださいよ。形勢が変わってきたからといって,消費者に責任転嫁するなんてあんまりじゃありませんか。自分で判断できないなら知事を続ける理由もありません。