訴訟の目的外利用 濫訴

「検診を普及すべき」 子宮頸がんワクチン訴訟で原告側
http://www.asahi.com/articles/ASK325WFVK32OIPE021.html

 子宮頸(けい)がんワクチン接種後の副作用を訴える東海地方の女性11人が、国や製薬会社に損害賠償を求めた訴訟の口頭弁論が2日、名古屋地裁であった。原告側は「検診は、適切な治療と組み合わせればワクチンより発症を予防できる。検診を普及すべきだ」と訴えた。

妄想した。

 欠陥車による事故の損害賠償訴訟において,原告側は,「鉄道交通を普及すべきだ」と訴えました。鉄道交通は自動車より安全だという主張です。

 その主張が正しかろうが間違っていようが,原告が乗っていた車の欠陥の有無には関係ない噴飯ものの主張を何故したのか。おそらく,裁判に勝つ気はなくて,自分たちの主張をするために,注目を浴びる裁判の場を利用しているのだろう,というのが世の野次馬の観測である。それにしても事故被害者は利用されてお気の毒だ。

妄想から覚めました。

 子宮頸がん対策には,ワクチン,検診,治療のいずれも大事ですが,どのように行うかは医学の問題で,裁判官が判断することではありません。裁判の争点は原告の症状がワクチンの副作用かどうかだけですね。裁判に科学的判断をゆだねようとした環境ホルモン濫訴事件を連想しました。