省エネの夜

「勤務中にセックス休憩を」市議が提案 スウェーデン
http://www.afpbb.com/articles/-/3118757 

スウェーデン国民は勤務中に自宅に戻ってパートナーと性交渉するために1時間の有給の休憩を取るべきだ――同国の地方議会議員が21日、こんな提案を議会に提出した。人間関係の向上がその狙いだという。

 スウェーデン北部オーベルトーネオ(Overtornea)市のペルエリック・ムスコス(Per-Erik Muskos)市議(42)は、提案書を提出した後にAFPの取材に応じ、「性交渉が健康に良いことを示す研究結果がある」と語った。

 現代社会ではカップルが一緒に過ごす時間が不十分だとムスコス氏は主張し、今回の提案はカップルが「より良い関係を築く」ためのものだと説明した。

 ムスコス氏はまた、従業員が休憩時間をパートナーや配偶者と過ごすこと以外に使っていないかどうかを確かめる手段はないため、雇用主は彼らを信頼する必要があると指摘。その上で、今回の提案が議会を通過しない「理由は見当たらない」と述べた。

 一言でいって,余計なお世話ですが,「有給の休憩を取るべきだ」と「有給の休憩を取れるようにするべきだ」では大違いです。かろうじて後者の主旨らしく,「従業員が休憩時間をパートナーや配偶者と過ごすこと以外に使っていないかどうかを確かめる手段はないため、雇用主は彼らを信頼する必要がある」と言っていることから推察できます。もし,雇用主が信頼せず,ちゃんとセックス休憩しているか確かめにやってきたら,ちょっと嫌ですね。

 それで,思い出したのが,今は無き赤瀬川原平さんの「純文学の素」にある「省エネの夜」という妄想自宅ルポです。1980年代という省エネが喫緊の課題となった時代のお話で,あらすじは次のような感じです。

 深夜,末井氏(仮名)が,自宅で後背位のイトナミに励んでいたところ,総理府の二人の係官がドアを破って侵入し,後背位を騎乗位に指導修正して立ち去った。省エネルギーの時代,受胎率の高い後背位は全面的に禁止されていたのである。

 身の毛もよだつ恐怖譚ですが,総理府の男の発言が趣深く笑えます。Amazonには白夜書房の単行本の表紙画像がありますが純文学っぽいですね。私が持っているのは初版で,自宅ルポの雰囲気が漂っています。現在の白夜書房は,趣味娯楽雑誌を幅広く出版していますが,当時はアダルト系出版社として知られていました。「ビニ本」なんて言葉があった時代です。