専門家会議報告も建物建設地下は盛土不要と読める

 専門家会議報告書要旨を読み直していたら,次の記述に気づきました。

3.5 管理のあり方
上記 3.4 の方針で土壌汚染等の対策が行われることにより、新市場予定地内に操業由来の土壌汚染は存在しなくなり、操業由来の地下水汚染も建物建設地にはなくなる。
 また、建物建設地以外の汚染地下水についても、地下水管理により地下水位が A.P.+2m程度で管理されていれば人の健康や生鮮食料品に影響を及ぼすことはなく、盛土がきちんとなされていれば地下水から揮発したベンゼン、シアン化合物を含む地上空気が人の健康や生鮮食料品に影響を及ぼす可能性は極めて低い。

 つまり,盛土の被覆効果を期待しているのは,建物建設地以外だけだということです。建物建設地以外の地下水は排水基準(ベンゼン 0.1mg/L)までにしかしないので,被覆が必要ですが,建物建設地の地下水は環境基準(ベンゼン 0.01mg/L)以下にするので,地下水汚染はなくなるわけです。考えてみれば当たり前です。汚染がなければ,被覆する必要はありません。手続き的には必要かもしれませんが。

 なお,盛土の被覆効果の計算では,地下水のベンゼン濃度を1.1mg/Lにすれば地上への影響はないとなっていますから,排水基準でも人の健康影響では10倍の安全率があります。食料品への影響はさらにその1000倍の安全率があります。

 さらに,技術会議では,建物建設地以外の地下水も環境基準以下にすることにしていますので,盛土は敷地全体についてかさ上げの役割だけしか残っていないことになります。
 以下に,要点をまとめます。