島原の精霊流し 炎上とか勘違いとか

 子供のころのお盆は、親の実家の島原によく行きました。長崎の精霊流しは、爆竹を鳴らし、ほとんどお祭りですが、島原も似たようなものです。ただ、島原の精霊舟には特徴があります。竹と藁でできていて、切子灯篭を飾り付けていて、なかなかの風情があります。地区ごとに精霊舟を作り、初盆の家を回って、それぞれの家紋の入った灯篭を載せていきます。長崎のように台車に乗せて引っ張るのではなく、神輿みたいに肩に担ぎます。最後は海に流して、浄土に返してお盆が終わりますが、海洋汚染になるので回収されるという現実のエピローグがおまけにつきます。

you tubeの動画では、制作過程も見ることが出来ます。

しまばらまるごと彩発見「島原市精霊流し
https://www.youtube.com/watch?v=r8mhx_4ds0o

 ところで、昨年、長崎市精霊船の火災騒ぎがあったようです。

精霊流しの船が全焼 仕掛けた花火が引火か 長崎
http://www.asahi.com/articles/ASH8H67GXH8HTOLB00H.html

長崎の精霊流しで火事-爆竹が引火?精霊船が燃える火災で騒然
http://breaking-news.jp/2015/08/15/021211

 最近の長崎では珍しい事故だったようですが、私が子供のころ見ていた島原の精霊舟は時々燃えていました。当時は灯篭にロウソクを使っているものが多かったので、海にたどり着く前に灯篭に引火することは良くあったのです。ただし、昨年の長崎のように船本体が全焼したのは見た事はありません。火のついた灯篭を外して、再び海に向かっていました。良くある事なので、対処も慣れていたのかもしれません。

 実は、長い間、勘違いしていたことに最近気づきました。精霊流しは、長崎県、熊本、私の育った佐賀市での呼び方ですが、私は全国でもそう呼ばれていると思っていました。全国的には「灯篭流し」なのですね。佐賀のものは、灯篭が一つだけの小さな船で、たぶん全国版と同じようなものですが、「精霊流し」と言います。発音は「しょうろうながし」です。周りもそう発音していましたが、辞書で「精霊」を調べると「しょうりょう」とあります。その一方、テレビなどで全国版の「灯篭流し」のニュースでは「とうろう」と発音しています。なんだか、「しょうりょう」と「とうろう」が入り混じって「しょうろう」になったみたいで、モヤモヤした気分でしたが、そのうちに忘れてしまいました。地域の呼び方だとわかってモヤモヤが晴れたのは最近のことです。