不倫とか河原乞食とか差別とかCMとか

 ベッキーが謝罪会見をしたようですが、不倫はしていないそうです。ではなぜ謝罪したかというと、多くのCMに出演しているからだと思います。スポンサーに迷惑をかけたことを謝罪しているわけですね。男性側が謝罪会見しないのは知名度が低くCMに出ていないので謝罪する相手がいないからだと思います。一応、ファンにも謝っていますが、おまけでしょう。ブラック・ベッキーや木部さんのファンである私にとっては,それが見られなくなくのは残念ですが、CMは見ていませんので、半分の謝罪で十分です。いや、ご愛顧にしているお店が閉店したからと謝罪してもらうこともありません。

 ところで、最近では不倫は男女どちらの行為にも用いられますが,昔は女性の行為だけを指しました。不倫とは文字通り倫理にもとる行為のことですので,妾も認められた時代に男の不倫はありえませんからね。堅気の世界が男女平等になってきてもしばらくは、芸能の世界では、女遊びは芸の肥やしとかなんとか言ってました。愛妻家で子煩悩のロックミュージシャンというのは最近の話ですね。いや昔からいたと思いますが、隠しておかないと営業に差しさわりがあったと思います。ゲスなんとか氏がどうなのかは全く知りませんが、結婚はしていたようですね。奥さんに謝罪したとしても、バンド名のイメージからすると公表しないほうが良いかもしれません。

 大昔,芸能人は「河原乞食」とさげすまされていました。客に媚びて施しを受ける乞食みたいなものでした。差別が許されない現代ではスターに昇格したりしていますが,「お客様は神さまです」という言葉は「河原乞食」時代の名残かもしれません。媚びているわけでは無いでしょうが,人気商売であることに変わりはありません。

 俳優が役を演じていることは誰もが知っています。原則CM俳優も同じですが,不思議なことに演技ではなく素の姿と思っている視聴者が多いのが不思議なところです。CMの視聴者は感覚が50年ほど古いようです。CMをつくる側もその点は心得ていて,仕事としての演技ではなく,自然の素の姿に見えるように工夫しています。この問題点は,役者にプライベートがなくなってしまうことです。仕事以外でも役を演じなければならないのは,50年前の映画スターも同じでしたが,現代のCM役者はそれ以上に厳しく要求されているんじゃないでしょうか。ご苦労様です。

 もし,素の姿を見せると,視聴者は騙されたと怒り出しはしないものの、あっさりと見限りますから厄介です。そういえば,乞食が実は大金持ちでロールスロイスで物乞いの場所まで出勤するというような喜劇かコントがあります。私は,子どもの頃にアコーディオンを弾く傷痍軍人の物乞いを見たことがあるのですが,健常者の演技も混じっていたと聞いたことが有ります。

 全く油断なりませんが,CM俳優の場合は現代の河原乞食と考えるとあまり怒る気がしません。わたしのようなそこはかとない差別感情をもつ視聴者が「河原乞食」を求めているわけで、お互いさまですから。