「かぎ煙草」という新製品

 昨年末に関越道を走りました。SAにおいてあるハイウェイ・ウォーカーという冊子を持ち帰り,家で何気なく見ていると,「ゼロスタイル・スヌース」というかぎ煙草の広告に気づきました。手を使わないので,運転に差し支えないのでお勧めだそうです。受動喫煙の問題が少なさそうでもあります。ただし,呼気にニコチンが含まれるので受動喫煙の害はあるとの意見もあります。

 かぎ煙草にも色々有りますが,ポーションという小袋に入った煙草の葉を歯茎と上唇の間に挟むタイプです。かぎ煙草や噛み煙草は口腔がんの危険性が高いと聞いた覚えがありますし,広告にもその旨の注意書きが書かれています。少し,検索すると,批判サイトが続々見つかりました。批判サイトのショッキングな口腔がんの写真を見ると,愛煙家でも使う気が失せてしまいそうです。(閲覧注意)

 さて,JTがかぎ煙草を発売したのは数年前からで,つまり新製品です。よく言われる話に,煙草が伝統的な嗜好品ではなく,新製品として売り出されれば現代では絶対許可されないというのが有ります。煙草が合法なのは,すでに習慣になってしまって愛好家が大勢いるからです。

 欧米ではかぎ煙草の習慣がありますが,日本には有りませんでした。既に普及してしまった煙草を禁止するのは難しいかもしれませんが,今まで日本にはなかった習慣を導入してまで有害な新製品を売り出すのは職業倫理にもとるのではないでしょうか。

 法的には噛み煙草もかぎ煙草も煙草なので販売出来るのだと思いますが,個人的感覚ではガムのような食品に近いと感じます。仮に煙草の葉を混入してその風味を味わうガムとして売り出そうとしても,許可されないと思います。ただ単に分類上「煙草」とするだけで,今まで習慣に無かった有害な商品が販売できるというのは釈然としません。