パクリ?パロディ?と悩ますようじゃ

パクリ?パロディ?多摩美の卒業制作がいわさきちひろ作品に酷似している件について
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 デザインや絵画のコンセプトの文章による説明というのは、奇妙です。そもそも文章では表現できないので視覚的表現を使っているのに、それを言葉で説明するのですから。百聞は一見にしかずの「一見」を「百聞」で説明するような無理があります。この文章のような視覚表現についての文章は総じて隔靴掻痒の感があります。

 しかも、視覚的表現のコンセプトはなんとなく後付くさいです。大抵、作品が完成してから書いていますからね。コンセプト自体を否定するつもりはありませんが、コンセプトの最大の説明は視覚的表現であるはすで、文章による説明が必要だとしたら失敗作じゃないでしょうか。もちろん、言葉とイラストの複合表現である絵本などは、それで一つの表現であって、絵本の言葉は余計なものではありません。しかし、絵と言葉からなる絵本のコンセプトのさらに言葉によるコンセプトは鑑賞に役立つのでしょうか。絵本の分類研究とか何かに役立ってはいると思いますが、鑑賞となると疑問です。

 絵本と似ているのが、パロディです。パロディをパロディなのだと説明するのは、落語が何故面白いのかを説明するようなものです。パロディは一見してパロディと分からなければ普通は失敗です。考え落ちのようなパロディもあるかもしれませんが、パロディだと分かった瞬間に一瞬にして腑に落ちなければなりません。果たして、これはパロディなのかパクリなのかと悩むようでは失敗です。ただ、パロディは純粋な視覚的表現ではなく、オリジナルの知識を必要とするので、鑑賞者を限定するところがありますが。