恐怖の便所

「迷惑産業」「ごみ屋の娘」と呼ばれた産廃業者の女社長が語る、地球の未来のためにできること
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 人間が出す廃棄物つまり糞尿にはいろいろと思い出があります。子どもの頃の便所はくみ取り式だったので,臭いのは当然として,蛆が床まで這い出してうごめいていることがありました。子どもだったので,よく分からないのですが,我が家のくみ取りは市のサービスではなくて,近所の農家に頼んでいた時期がありました。まだ,堆肥として使っていたようです。合法だったのかどうか知りませんが。

 それで,どういう事情か分からないのですが,くみ取りが来なくなったことがありました。便槽は貯まる一方で危険な状況になっているのに,うちの親はさほど気にしている様子はありません。便所の床板(木です)が湿って腐りはじめました。下手すると足で踏み抜いてしまいそうです。便所に行くのが苦痛になって来ました。両親は共働きのため仕事で外出が多く,兄弟も年がはなれていて成人していましたので,家の便所はあまり使っていなかったような記憶があります。

 うーん,どうも記憶があやふやです。いま考えると,そんなことがあるはずがないような気もしますが,しっかり覚えています。そもそも,あの家は何だったのか不思議です。取り壊し寸前の家を取りあえず安く借りていたフシもあります。その後何度か引越しましたが,大体同じような廃墟寸前の家ばかりでした。親は犬の繁殖をしていたので,普通の綺麗な家は借りられなかったのだと思います。その代わり,広さは十分過ぎるほどでした。昔の豪農が住んでいたような家ですが,雨漏りはするわ,床は傾くわという状態でした。

 便所の悲惨な状態はトラウマとなり,夢でよく見ました。ひょっとしたら,夢と現実の記憶が入り交じってしまったのかも知れません。それにしても,糞尿の量は大変なもので,だれかが処理してくれないと,あっという間に溜まってしまうのは事実です。

 実は,人間の糞尿に加えて犬の分もありました。庭をコンクリートタタキとして,糞便は水で洗い流して側溝に廃棄していましたが,違法ですね。近所から苦情があって,市からも注意と指導を受けていたようです。そのため,郊外に引っ越しを繰り返していたのだと思います。屋内の犬舎には新聞紙を敷いて,それを回収して,焼却炉で燃やしていました。これも,今なら違法でしょう。燃えがらが溜まっていくのですが,あれをどのように処分していたのかよく分かりません。

 今の暮らしは,水洗トイレでウンコの行方などほとんど気にしていません。それでも,時々思い出します。