いろいろ誤解を招きそうな地図(その2)

 福島小学校と東京小学校の成績を比較します。福島小学校には,アジ組,サバ組,タイ組,カツオ組の4組があり,東京小学校はアジ組の1クラスしかありません。各組の生徒数は同じです。各組の成績の平均点を下のグラフに示します。

 言うまでもないと思いますが,このグラフは不適切な表現になっています。各組の平均点を積み上げグラフで表現してしまうと,平均点の合計が全体の平均点のように見えて,福島小の平均点が250点以上あるかのような誤解を与えます。実際は,福島小も東京小も平均点は70点で同じです。次のグラフのように表現すべきです。

 前の記事の食品の放射能検査地図も積み上げグラフを使っていました。

ホワイトフード(株)食品の放射能検査地図【海の魚編】(2015年上半期) より

 もし,このグラフの表しているものが,検体数などであれば積み上げグラフは適切です。魚種毎の検体数の合計が総検体数になるから問題ありません。しかし,放射能測定結果の平均値だとすれば,誤解を与える不適切なグラフ表現です。前に述べたように,検体数であれば放射能汚染の指標にはなりませんが,グラフ表現は適切です。放射能測定結果の平均値ならば指標になりますが,グラフ表現が不適切です。