出されたお茶の飲み方マナー

 出されたお茶を飲みかたのマナーが話題になりました。

 マナーに正解があるのかどうか知りませんが、こういう見解の対立は非常に困りますね。お茶に限らず、通説のマナーは間違いで正しいマナーはかくかくしかじかである、という話はよく聞きます。

 マナーは私のようなコミュニケーションスキルに劣る人間にとって助かります。初対面のような正体不明の相手に対して、敵意がないことや、敬意を伝える手段が決められていて便利ですからね。口下手でも朝は「おはようございます」と言っていれば済みます。だから、子供には挨拶はちゃんとしなさいと教育するのだと思います。

 もし、「おはようございます」というのは本当は相手に失礼になるとか、握手は宣戦布告の意味があるなんて、言われると困ってしまいます。国が違えばそういう困った事態が現実になります。頭を横に振るのが肯定の意味だったりして混乱必至です。意志疎通のルールは統一されていないと何かと不便です。

 こういうことから考えるとマナーは、その時代、その場所で最も広く行われているやり方に従うのが無難といえると思います。「本当はこれが正解で、世間でやっているのは間違いだ」というのを真に受けて実行しても、相手が「間違い」を信じている可能性が高いのですから、コミュニケーションに支障が出かねません。

 「いや、そういう実利にとらわれて、正しいマナーをおろそかにしてはいけない」というほどのものでもないでしょう。マナーは決めごとであって、どっちだってよく、どっちかはっきり決めるのが大事かと。茶道のような伝統文化になってしまうとややこしいですけど。