宝石磨きの手伝い

4月7日の読売編集手帳。彫刻家で,東京芸術大学の学長をつとめた澄川喜一さんご自身が,かつて芸大に入学したときの思い出。当時の学長は入学式の式辞で述べたという。

「おめでとう。入学した170人は磨けば光る原石である。このなかから一つか二つ、美しく輝くような宝石のような芸術家が生まれれば、それでよい。ほかの168人は宝石を磨く手伝いをせよ」

 うっ!
 子供の頃「絵描きになりたい」と言ったら,親から「食えないよ」と言われたことを思い出しました。でも,よく考えたら他の職業でも,殆どは宝石を磨く仕事をしているんですね。私の仕事もそう。輝く宝石は極一部に過ぎません。問題は,宝石磨きでも喰っていける仕事があるかどうか。