時間に正確過ぎて遅刻する「美学」

Tomohiro Takata@wingcloud
しまった。早く着きすぎる。いつも無駄のない綱渡りのような行動を心がけているのに。
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 知り合いに似た行動をする友人がいます。電車に乗っても,無駄なく時間ぴったりに着くと,何とも言いようのない快感を感じるらしいのです。(誇張しています。)そのため,駅員はだしに,秒まで合わせた時計を身につけて電車に乗っていました。数十年前,その友人が腕時計を買った時にこんな話をしてくれました。大抵のアナログ式の腕時計にはパワーセーブ機構があり,電池残量が少なくなると,針の動きを制限して電池の消耗を防ぎます。数秒おきの運針に切り替わったり,一旦止まってしまい,ある程度,光が当たって充電したときに一気に運針したりします。この機構を友人は知らず,購入後に気づいたのです。「これじゃ,役に立たない」とパワーセーブ機構なしの時計に交換したそうです。

 それほど,時間に正確なのですが,それは実利的あるいは倫理的な理由で心掛けているのではありませんでした。時間ぴったりに行動出来ると嬉しくなるというだけなのです。実利という面では,あまり意味がないどころか実利を損なうことすらあります。何故かと言うと,電車の運行がその友人ほど正確とは限らないからです。乗った電車が遅れることもありますので,余裕のないギリギリの計画をするその友人は,時々,時刻に遅れます。人間は実利よりも快感を優先することがありますが,その一例です。

 人のことは言えず,私もその傾向がなきにしもあらずです。数学の超難問に詰め込み問題というのがありますが,引っ越しの荷造りの時にそれをしたくなるのです。段ボール箱に可能な限り隙間無く詰め込めると嬉しくなるのです。ところが,それをやると重くなりすぎて持ち運ぶの大変になったり,詰め替える必要が出来たりすると面倒なことになります。実用工学的には,遊びが必要なことをこうして学んだのでした。

 他にも同病の奴がいたことを思い出しました。はるか昔,学生時代には必要単位ぎりぎりしか受講しない強者がいて,「超低空飛行」と呼ばれていました。当然,留年の可能性は高まるのですが,余裕や遊びを排する「美学」でもあるかのようでした。・・・単なる怠け者だったのかな。

【追記】
 この「美学」を持つ人は,次の様に呼ばれますね。

 趣味人,マニアック,凝り性,専門馬鹿,視野が狭い,