不正追及再開ーまだ有罪でも無罪でもない

はてなブックマーク STAP現象の検証結果について | 理化学研究所
http://b.hatena.ne.jp/entry/www.riken.jp/pr/topics/2014/20141219_1/

 「誰も責任をとらない?」というコメントがいくつかありますが,気が早すぎます。小保方さんが退職しても,懲戒委員会は再開されます。今までは中断されていたので,公式には責任問題は議論されていないことになります。また,「不正について言及がない」というコメントもありますが,検証実験が始まった時にもしつこく書いたように,検証実験と不正問題は関係ありません。再現に成功しても,潔白とは言えませんし,失敗しても有罪とも限りません。これを誤解している人はいまだにいるんですね。

 じゃあ,検証実験の目的は何なのかですが,それに付いても既に書きました。一見,科学の実験ですが,目的は少し違っていて,実は今回の理事長コメントにもあらためて述べてあります。

しかし、STAP 現象は科学界を超えて、社会的問題にもなったことから、理研は、一般社会、国民の関心に応える道でもあると考え、研究不正再発防止改革推進本部の下で検証を実施してきました。

 書いてあるとおり,野次馬いや国民の関心に応えるためです。実験開始の時にも,そうでもしないと決着が付かないという理事長の判断があったという報道がありました。相澤チームリーダーも「やりたくないけど,やらなきゃ世間が納得しない」みたいな態度でした。決着に対する世間の心証を良くするための印象操作みたいなものです。操作が効果を発揮するには,世間が再現実験の目的を不正解明と誤解している必要があるところがややこしいところです。そのために,無駄なお金が使われてしまいますが,世間は納税者とも重なります。その納税者が納得しないというのだから,無駄な出費も仕方ないですね。いや,仕方なくないかな。いやいや,仕方ないとか有るとか言っても仕方ありません。世間は無視できない力をもっているんです。日本は民主主義です。

 それはともかく,これからが不正追及の本番です。どうなるかな。

【関連エントリ】
研究不正の状況証拠
http://d.hatena.ne.jp/shinzor/20140830/1409403688
自白偏重主義
http://d.hatena.ne.jp/shinzor/20140827/1409129023