何を評価するのか ー 小論文

 次のブログは,小論文を書くコツを伝授する大変役に立つ情報を提供しています。

これは小論文で何を書いたらいいか分からない人のために書いた文章です
http://readingmonkey.blog45.fc2.com/blog-entry-754.html

 何を書いたら分からないのは,小論文課題には,何を書けと明示していないからです。いや,一応の指示はあるのですが,どのように書けば評価されるのかの評価基準は明示されていません。その点に関して,上記ブログにはサラリと重要なことが書いてあります。

 何を書いたら読書感想文になるのか普通説明されることはなくて(多分出題者もよく分かっていなくて)、努力しようにもその方向が分からないところです。

 重要なこととは,括弧書き部分です。出題者もよく分かっていないのですよ。とはいえ,何となくはあるはずです。最初はなくても,実際に採点するとなれば,何らかの基準で採点しますので,そのうち採点基準らしきものが出来上がって来ます。ただし,それは事後的に出来上がっただけで,本当に必要な能力を評価しているのか分からないのが大きな問題です。大きな問題ですが,それで評価される限り,受験生にとっては対応せざるを得ません。そんな評価基準でも解説してくれるブログや,予備校の授業や,受験講習会はありがたいわけです。

 ブログ主の読書猿さんは,「作文系小論文」では自分がどういう人間かを訴える過去の体験・経験を書けと述べています。なぜなら出題者はあなたがどういう人間であるかを,あなたの過去の行動の実績から評価したいためだと。しかしですよ,そうなら「過去の体験・経験を書け」という出題にすれば良いはずです。この評価軸は読書猿さんの推測なのです。多分,その推測は当たっていると思います。しかし,他の推測を許す余地があるほどに元の課題は曖昧です。様々な推測のどれが最も入試にふさわしいかに正解はなく,大学の考え方次第です。だからこそ,大学は明確にしなければならないと私は考えます。どのような学生を求めているのかは,大学が示して当然でしょう。大学が求めている能力を高めるための講習会や予備校が存在するのは有意義です。しかし,何を大学が求めているかを,予備校やブログから教えてもらわなければ分からないというのは変じゃないでしょうか。