白塗り

 今日、「所さんの目がテン!」を見ていて、いまさらながらに気付いたことがありました。

 舞妓さんは「かわいい」とか「きれい」とか言われることが多いのですが、私には合点がいきませんでした。あの、白塗りはバカ殿そのものですよ。日本人には「かわいい」ものだという先入観があるからかもしれませんが、外国人までもがそういうのは不思議でした。多分あれは外交辞令なのだろうと思っていました。

 番組では、あの白塗りは夜のろうそくの明かりで見るためのものだと説明していました。言われてみれば当り前のことでした。夜鷹の白首と同じなのですね。真昼間にみればバカ殿ですが、ほの暗い灯のもとでみればそれなりに風情があったのでしょう。本来は夜のものでも文化として根付けば、昼に見ても夜への連想が働き、好印象になるということは有りそうです。そういう評価が根づいてしまえば、夜の光景の経験がない多くの現代人でも、それに引きずられることはありそうです。

 しかし、この解釈では外国人の評価は説明出来ません。日本の舞妓さんへの歴史的評価を知らない外国人は私と同じように、バカ殿だと感じないのでしょうか。ここからは勝手な想像ですが、一部のつまり西洋の外国人はそもそもバカ殿メークが好きだということはないでしょうか。というのも昼間でも厚化粧の印象があるからです。例えば、日本ではアイシャドーは夜の化粧で昼間はしないものだとかつて言われていましたが、別に西洋ではそんなこともないようです。どうなんでしょうかね。

 かつての山姥メークからも分かるように、化粧の感覚は慣れ(文化ともいう)の問題でどんどんエスカレートします。だから、あれこれ考えても馬鹿らしいといえば馬鹿らしいのです。そういえば、原宿界隈では白塗りメークも流行っているらしいですね。一応TPOは有るらしいのですが、TPOもどんどん変化するというのは、大昔からのことです。