家族間殺人

https://twitter.com/matsuikei/status/528709636669452288
松井計 ?@matsuikei 11月2日
日本てのは、全殺人事件に占める家族間の殺人の割合が異様に高い国なんだよね。諸外国と比較すると突出した数字になる。これは最近の事ではなく戦前からずっと同じ。<日本の伝統的家族制度は素晴らしいんだ!>と叫ぶのもいいが、こういう傾向がある事も頭の片隅くらいには入れておいてもいいかもね。

 この指摘はもっともですが,日本の家族制度に欠陥があると考えるのも,素晴らしいんだ!と叫ぶことと同様,早とちりです。

 日本の家族間殺人の割合が多いのは,家族以外の者による殺人が少ないせいかも知れないからです。だいぶ古いのですが昭和58年の犯罪白書の数字で確認してみます。新しいデータではまた違うかも知れませんが。 

http://hakusyo1.moj.go.jp/jp/24/nfm/n_24_2_2_4_5_0.html

 日本を基準とした殺人発生率の倍率

  アメリカ : 6.5倍
  イギリス : 2.0倍
  ドイツ  : 3.2倍

 親族間殺人の全体に占める割合

  アメリカ : 14.9%
  イギリス : 38.5%
  ドイツ  : 24.2%
  日本   : 41.3%

 これから,日本を基準とした親族間殺人の発生率の倍率を計算すると,以下の通りです。

  アメリカ : 2.3倍
  イギリス : 1.9倍
  ドイツ  : 1.9倍

 親族間殺人の発生率も日本は欧米の半分程度です。別に意外でもありませんけど。

 ところで,痴話げんかの暴走で知り合いに殺されるよりも,通り魔に殺される方が不気味で恐怖を感じるのが人間です。報道も通り魔殺人の方が大きく取り上げ,恐怖を煽ります。そのためか,見知らぬ凶悪犯罪者に殺される可能性も高く感じます。しかし,日本では知り合いに殺される可能性が圧倒的に高く,9割程度あります。欧米でも半分以上です。これは意外と感じる人もいそうです。