実害がなくても調子に乗っているとしょっぴかれるぞ

 ろくでなし子さんの報道で「自称芸術家」という警察発表の表現を見て、赤瀬川源平氏の千円札事件を思い出しました。朝日新聞が「自称超前衛芸術家の赤瀬川原平こと克彦が、『チ・37号』との疑いを・・・」と報道したのでした。『チ・37号』とは当時捜査中の偽札事件です。源平氏は芸術作品を街の印刷屋さんに発注していたので、どう考えても『チ・37号』との関係はありそうもないのですが、いい加減ですね。

 警察は、通貨への信頼を揺るがす『チ・37号』事件の捜査に忙しいはずで、自称超前衛芸術家なぞに掛かりわりあっている暇はなく、当初は不起訴と見られていました。しかし、どういうわけか起訴され、裁判でも有罪となったのでした。

 源平氏の著書「東京ミキサー計画」や「全面自供」には、この事件についても、触れていますが、模造罪というのは、わいせつ罪や不敬罪と似ていると述べてあります。模造罪とは通貨及び有価証券の模造であって、刑法に定めのある各種文書の偽造罪とは違います。特別扱いです。性器や通貨ややんごとなきお方を軽々しく扱ってはいけないのです。実害の有無は関係ありません。冗談のネタにしたり、芸術にしてもいけないのです。いや、たまには構いません。しかし、調子に乗ると危ないです。どの程度から調子に乗っていると判断されるかも分からないので余計危ないのです。