次に引用しているのは，「FDAよりもサトウ内科の医師のほうが正しいとお考えですか？」という
NATROMさんの質問へ回答した方のツイートです。ＦＤＡとはアメリカ食品医薬品局（Food and Drug Administration）のことで，サトウ内科とはワクチン有害論を主張しているさとう内科循環器科医院 のことです。
wake up, stand up ?@dmburg
@NATROM あったりまえでしょう。アメリカという巨大企業のフロントであるFDAは、企業がビジネスで儲けるために、せっせと便宜を計る機関。庶民の健康や命なんかwho cares!でしょうよ。アナタは、未だに、政府や権力は国民を守るもの、とか夢物語を信じる旧世代なんでしょうが
wake up, stand up ?@dmburg
@NATROM この、ポスト911テロの世界で、ポスト福島原発爆発の世界で、未だに、政府や権力は国民を守るもの、とか夢物語を信じる人は、きっとすでに低線量被曝で中枢神経やられてしまってる人ですよ。
政府や権力に対する不信感は誰でも多少は感じているものです。何の疑いもなく信用するのが危ないのは当然で監視や批判が必要なことは，初等教育の社会科でも三権分立の説明でも出てきます。政府や政治家への風刺は昔から根強い人気の娯楽でもあります。
これらのことは健全な懐疑精神であって，政府や権力そのものを否定して無政府主義を主張しているわけではありません。適切な批判によって政府や権力を制御しなければならないという考え方です。ところが，陰謀論者の場合，政府や権力という存在そのものを悪と考えている様なところがあります。ならば無政府主義かというとそうでも有りません。政府や権力というものについてとことん考えているのではなく,安心して悪口を言える対象，勧善懲悪ドラマの悪役という程度の認識に思えます。ドラマの悪役は現実感のない夢物語の存在ですが，陰謀論者にとっての政府や権力も現実感のない遠い存在ではないでしょうか。
政府や権力に現実感を持つために，マンションの管理組合や自治会に例えることを私は時々します。管理組合の不正経理が疑われる場合どうすべきでしょうか。組合の総会に出席し，会計報告をきちんとチェックし，不正の証拠を掴むところから始めるべきでしょう。会計は監査役が検査していますが，それも疑うのですから，直接，資料に当たって証拠を集めることから始めなければなりません。証拠を掴んだら,会計役員の解任と新役員の選任をしなければなりません。住民の多数の了解が必要で結構面倒です。
一方，管理組合陰謀論者は管理組合の存在そのものに不信感を抱いています。新任の役員だって信用出来ないと考えます。管理組合が住民の生活を守るものという夢物語を信じているのは旧世代だと考えているからです。しかし，マンションには共用部分や住民全体で監理すべき事柄があり管理組合はどうしても必要です。となると，陰謀論者の取るべき行動は一つしか有りません。マンションを出て一戸建てに住むことです。無管理組合主義者なのですから。
ところが，陰謀論者はそこまで首尾一貫した態度を取りません。マンションからは決して出ていかず，管理組合に文句を言うだけです。とことん考えた末に無管理組合主義を主張しているのではなく，陰謀なぞお見通しだと思えば気持ちよいというだけでしょう。勧善懲悪ドラマの悪役がやっつけられることに快感を感じるようなものです。
管理組合や政府が不正を働くことも有ります。自分の住むマンションの管理組合が不正を働いているとしたら，何とかしなければならないという当事者意識が働くと思います。不正による被害も現実味を持って実感出来ます。あまりに腐敗が進んでとても改善が望めないと思ったら，一戸建てへの引越も真剣に検討するでしょう。
政府の場合も不正を鑑査する機関が有り，通常はそれが機能していますので，国民が直接調べる必要はありません。しかし，そこにも不正が有るとすれば，体制の根本的変革が必要です。いわゆる政変です。政変は組織的に行う必要がありますが，それも望めない場合は，個人的解決として海外脱出，難民という選択になります。世界には，このような厳しい現実もあります。
それに匹敵するほど陰謀論者の主張は途方もないものです。でも，なぜかそれほどの当事者意識も危機感もなくて，決して難民になる選択はしません。不正だらけの政府に結構満足し，安住して，気晴らしの文句を言っているだけに見えます。
