もっとも体が柔軟な年代

 古い文章その3です。

 平成10年12月2日官報資料版に,文科省による体力測定結果の報告が掲載されていました。

伏臥上体そらしは男子が17歳ごろに,女子が18歳ごろにピークに達し,立位体前屈は男子が18歳ごろに,女子が20歳ごろにピークに達している。12歳時の(柔軟性の)能力はピーク時に比べて男子で55%,女子で74%

 えっ!12歳より17,8歳の方が体が柔らかい!赤ちゃんが一番,体は柔らかいのじゃないの!
 
 実は,文科省は柔軟性の指標として,立位体前屈の数字を身長で割ったものではなくて,立位体前屈の数値そのものを使っていたのでした。つまり,純粋な柔軟性ではなくて,身長の要素が混じっていたというわけです。

 今はどうなっているのか,平成24年度調査を見てみたところ,相変わらずでした。
ちなみに現在では立位体前屈ではなく長座体前屈に変わっています。立位だと腰を痛める危険が有るそうです。

文科省サイトの「平成24年度体力・運動能力調査結果の概要及び報告書について」
http://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/chousa04/tairyoku/kekka/k_detail/1340101.htm

「調査結果の概要 年齢と体力・運動能力 テスト項目ごとにみた一般的傾向」の11ページ
http://www.mext.go.jp/component/b_menu/other/__icsFiles/afieldfile/2013/10/15/1340106_2.pdf

柔軟性の指標である長座体前屈の加齢に伴う変化の傾向を, 図1-3 に示した。
長座体前屈は, 一部の年齢段階を除いて女子が男子より高い水準を示している。
男子は,11 歳以降著しい向上傾向を示し,17 歳でピークに達する。その後,緩やかな低下傾向を示している。
一方, 女子は, 6 歳から14 歳ごろまで男子よりも高い水準を示したまま向上し17歳でピークに達する。その後, 緩やかな低下傾向を示している。