無茶な都市緑化

 昔,社内報みたいなところに書いた文章を修正したものです。ほぼ一昔前のネタです。

2003/5/26日経の「きょうのことば」で,ヒートアイランド現象の解説をしていました。その後に,ヒートアイランド対策として都市緑化が必要という話が続きます。

 消費電力が増えるだけでなく, 異常気象への影響も指摘されて いる。公園整備や緑地の増加は 対策の柱。東京都は条例で大規模建築物を新改築する際に屋上緑化を義務づけた。新法は,屋上に限らず,敷地全体に対して一定割合の緑化を義務づける。

 ここまでは,特に問題ありませんが,諸外国の都市に比べて東京は緑化面積が少ないことを表すつもりなのか,次の様な表を掲げていました。

 変な事にお気づきでしょうか。
 判らない方は,先進都市並に東京の公園面積を引きあげる計算を行えば判ります。何事も手を動かさねばなりません。
 
 お手本のストックホルムの一人当たり公園面積に東京23区の人口を乗じると,

   79.4㎡/人×8,800,000人=702k㎡ >621k㎡ 

 なんと,東京23区の面積( 621k㎡)を超えちゃいました。
一人当たり公園面積はヒートアイランド対策の指標になりません。