Quote Mining

 議論においては、相手の主張や真意を理解して反論して欲しいです。数学の証明のように、厳密に記述すると、煩雑でわけがわからなくなります。そこで、文脈なり、前提条件などから明白なことは省略して記述するのが普通です。そのあたりのことは、お互い推測して議論を進めるのがマナーだと思います。勿論、人の理解の程度や前提となる知識は差がありますので、不明な点は質問すれば良いでしょう。問われればこんなこともわからないのかと言わずに真摯に答えるべきだと思います。

 ところが、ちゃんと判っていながら、発言の一部分を取り出し批判する行為をよく目にします。省略された前提や主張全体の文脈を無視して、その部分だけ見れば確かに批判できそうに見えるからです。この行為は稚拙でバレバレの場合もありますし、巧妙なものもあります。そして、意図的なものではなく、本当に文脈を理解できていない場合もあります。しかし、この区別は明確ではありません。

 このような行為はQuote Miningという名称がついているそうで、よほど多く見られるのでしょう。

忘却からの帰還 Quote Mining
http://transact.seesaa.net/article/368578286.html

"Quote Mining"とは、文献や発言の一部を文脈から切り離して引用し、執筆者や発言者に意図を捻じ曲げて提示する行為である[Engel 1984]。藁人形論法に使われる場合と、自説支持に使う場合がある[Fallacy Files]。

 

このような"Quote Mining"は、引用元を見れば、すぐにバレる。でも、相変わらず"Quote Mining"が続くのは、おそらく多くの人々が引用元など見ることがないからだろう。

 MCSに関する議論でも、Quote Miningが見受けられます。表現上の粗探しというか。