19年9月 パンの実取り

 小隊農園と海岸椰子の間にパンの木の大きいのがあった。幹が大きく丈も高くて登って実を取ることも出来ない。要は朝早く薄暗い頃その木の下へ行き待っていると,蝙蝠がやって来てパンの実をつつく。すると熟した実は地面に落ちてくる。雑草の上だから汚れることはない。それを大きな葉できれいに包み小隊へ持ち帰ると,朝出来た冷たいアイスクリームを食べるような味である。
 マラリア熱発者には随分喜ばれたものだ。