昭和19年1月1日 

 元日。北の日本皇居遙拝。それぞれの故郷に向かって敬礼。お互いの健康を祝う。
 昨日用意しておいた魚芋等で正月気分を出し,郷里のウマカモン自慢話。そして例によって郷土民謡,歌謡で互いに正月気分を味わう。
 その後食糧事情は益々厳しくなり「働かざる者喰うべからず」誰言うともなく囁かれ,元気者は元気者同士,弱った者は弱った者同士,慰め合い細々と食べ合っている。