佐賀の土木事業

 作る前から、無駄だと悪評だった佐賀有明空港ですが。干拓地の雰囲気が手軽に「満喫」できるようになったという功績があります。ストリートビューで県道49号線を県庁方面に北上しましょう。空港バスのルートです。北海道の風景の雄大さと美しさには及びませんが、単調さと退屈さでは佐賀に軍配が上がるんじゃないでしょうか。廃虚マニアもいるぐらいですから、こういうのが好きな人もいるでしょう。

佐賀県 佐賀空港の地図(ストリートビュー、渋滞情報、衛星画像)

 とにかく佐賀は平坦。市街地に入ってもまだ平坦。北上を続け、長崎道を横切り、背振山地に近づくとやっと地面の勾配を感じられるようになります。このあたりが古代の海岸線です。それより南側の市街地は、堤防がなければ有明海の満潮水位で水没します。(リンク先の図参照)オランダみたいです。最も古い干拓地は推古天皇の時代だそうです。

佐賀平野の水と大地の歴史

 干拓には厄介な問題があって、堤防の全面(海側)に泥が堆積し、干拓地より高くなり、排水が出来なくなります。そのため、干拓を続ける必要があります。干拓地を少し散策すると、数キロ毎に古い堤防に出くわします。このような土地ですから、水害常習地ですが、1956年に完成した北山ダムには治水機能がなく、佐賀市は頻繁に水没していました。治水機能もある嘉瀬川ダムは、2012年に完成しています。干拓同様、治水事業も古くから行われていて、江戸時代には、成富兵庫茂安という治水の神様のような人が登場します。ダム建設には反対運動もありましたが、古代より土木事業なしではあり得ない土地だったと言えます。