総務省参戦?

総務相ワンセグ携帯も受信契約義務の対象」
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160902/k10010665811000.html

NHKは、この判決を不服として、すでに控訴の手続きをしています。
これに関連して、高市総務大臣閣議のあとの記者会見で、「総務省としては、受信設備の『設置』という意味について、『使用できる状態におくこと』と規定したNHKの放送受信規約を認可しており、従来から、ワンセグ付きの携帯電話も受信契約締結義務の対象だと考えている」と述べました。

 総務省のいう放送受信規約を読んでみました。

[平成27・6・1 施行]
放送法(昭和25年法律第132号)第64条第1項の規定により締結される放送の受信についての契約は、次の条項によるものとする。

 放送受信規約とは,前文に書いてある通り,受信契約を結ぶ場合の定型的な内容を,契約の片方の当事者のNHKが定めたものです。いま,裁判で争っているのは,そのNHKともう一方の当事者の視聴者です。その両者には見解の違いがあるわけで,自分の見解が正しいことは法律などの第三者的な根拠に基づいて主張する必要があります。自分の作った規約は根拠にはなりません。分かりやすく言えば,規約は無効だという訴えに,規約を根拠として反論しているようなものかと思います。

 したがって,総務省がNHKの放送受信規約を認可しているのであれば,総務省も裁判に巻き込まれることになります。総務省が認可しているから正しいとは言えず,認可の是非も裁判の争点になってしまいます。「総務省としては、訴訟の推移を見守ってまいりたい」と高みの見物を決め込むことはできないのではないでしょうか。

 しかし,これらの争点は枝葉の議論だと思います。放送法という根本がおかしい法律であり,民間有料放送の様に,有料放送として備えるべきものを備えないまま料金を聴取しようとするNHKの怠慢が根源にあります。