お金に換えられないの真意

 前の記事で、またまた、思い出したました。

 読売記事の識者のコメント
http://www.yomiuri.co.jp/national/culture/news/20131119-OYT1T00557.htm

地元の鎌倉美術家協会理事の村田真樹さん(59)は「文化はお金もうけの対象ではなく、財政難で閉館してしまうのは残念」と話す。

 この種の「安全はお金では買えない」の類のコメントは役にたたないので、止めて欲しいと思います。
文化に価値があるのと同じように、お金にも価値があるという誤解をしているのではないでしょうか。お金は価値の単位に過ぎず、直接的な価値はないと思います。お金の場合、紙幣や貨幣という物質の形態をしているので、価値があるように勘違いしやすいのではないでしょうか。電子マネーや信用決済を考えれば分かるように、お金に物質の形態は必須ではありません。

 「kg」は重さの単位ですが、「kg」という表記に重さがないようなものです。5kgの漬物石では軽いので、もっと重い石が必要な場合に、10kgの石の引換券では役にたちません。それを石に交換して初めて用が足せます。

 公営の美術館がお金儲けの対象でないことは言われなくてもわかっています。その文化的価値を維持するためにはお金が必要で、県の財政は厳しいのです。これこれの支出を止めて、回すべきだ、程度のことをコメントしないと役にたちません。

 現実には、そのような角の立つコメントはほとんど聞いたことがありません。公務員や議員の給料を回せならよく聞きますが。でも、お金に換えられないという言葉の真意は、「他のどのような支出よりも一番価値があるのだ」という、最も角の立つことではないかと思うのですけどね。文化の場合はそこまでのことは少ないけど、「安全」などではそう思える場合が多いです。